凍りつく厳しい冬が過ぎ、春へと向かう季節。オホーツク海から流氷が去り、一斉に漁が始まる。また、平野では雪解けが進み、木々が新芽で青々となっていく。冬から春へと季節が移り変わる短い時期にしか楽しめない、ひがし北海道の早春ならではの絶景や味覚、体験を楽しもう。
※掲載の情報は2020年3月現在のものです。変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
日本で一番遅い春を迎えるひがし北海道。4月には視界で海面の流氷が見られなくなり、雪解けも本格化する。5月になると桜や草花が咲き始め、だんだんと木々の緑が色濃くなっていく。厳しい冬とは違った、穏やかで明るく、色鮮やかでコントラストのある、この季節が移り変わる時期にしか見られないひがし北海道ならではの、早春だけの絶景を見に行こう。
- 一面のピンクの絨毯を歩く
- 大空町・藻琴山の麓にある、10haの広さを誇る公園。5月上旬〜6月上旬に見頃を迎える芝桜の名所として知られている。ピンク色の絨毯のような芝桜と、青空とのコントラストが美しいと、訪れる人を魅了している。
- 目覚めのオンネトー
- 阿寒摩周国立公園内に位置し、雌阿寒岳の麓に広がる周囲2.5kmの湖。五色沼と呼ばれる湖も、冬は雪に覆われ真っ白に。春になると、オンネトーブルーと呼ばれる美しい湖面が姿を現す。残雪とのコントラストも美しい。
- 目覚めの阿寒湖
- 阿寒摩周国立公園内にあるカルデラ湖。特別天然記念物のマリモが生息することで有名だ。遊覧船は例年4月下旬から5月初め頃に運行を開始。営業開始1週目は、凍り付いた湖面を割りながら進む、砕氷帯観光遊覧船を運行。
- 知床五湖の新芽の息吹きとクマの足音
- 原生林のなかにある知床五湖も、知床半島の断崖絶壁を眺められる観光船も4月下旬のゴールデンウィークから。春の遅い知床五湖でもミズバショウが青々と出てきて、さらに観光船に乗ると、冬眠明けのヒグマが見られることも。
- ここで楽しむ
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知床五湖しれとこごこ
- 住所:斜里町遠音別村知床五湖
- 電話番号:0152-24-3323(知床五湖フィールドハウス)
- 時間:4月下旬~11月上旬頃の見学自由(年により変動あり)
- アクセス
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JR知床斜里駅
斜里バス知床五湖方面行きで1時間25分、知床五湖下車すぐ
- 知床五湖
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- 下界の春と山の氷
- ひがし北海道各地も4月になると最低気温がプラスになり、雪解けがはじまる。5月中旬以降になると桜が咲き始め、少しずつ木々の緑が芽生えてくる。しかし、山々にはまだまだ多くの雪が残る。早春は平野の緑と山々の白、そのコントラストが美しい時期だ。
- 神秘的な流氷の蜃気楼現象「幻氷」
- オホーツク海から流氷が去るのは3月下旬から4月にかけて。この時期に見られるのが、春の風物詩である「幻氷」だ。この現象は、流氷で冷やされた空気の上に、暖かい空気が流れ込んで起きる蜃気楼のこと。流氷が水平線上に浮かんでいるかのように見える。
春の網走の目玉といえば、なんといっても「海明け毛ガニ」。冬の間、流氷の下で豊富なプランクトンを食べ、たっぷりと栄養を蓄えた海明け毛ガニは極上の味だ。さらに、網走で水揚げされた毛ガニは浜茹でしているので、とても新鮮で美味。身はもちろん、カニ味噌もクリーミー。ここでは「海明け毛ガニ」の楽しみ方を、ランチ・イベント・おみやげ・夕食にわけて紹介。
- ランチで味わう“海明けカニ”
- JR網走駅から車で5分ほどの場所に位置する「オホーツク産直市場かにや」。鮮度抜群の生きた活カニがそのまま食べられることでも知られており、水槽からあげられた新鮮な毛ガニを使った「活毛ガニ定食」が人気。
- イベントで楽しむ
“海明けカニ” - メインはなんといっても、カニ一杯が餅まきのように大量に投げられる「かにまき」。チケットにはサッポロクラシックかソフトドリンクの飲み放題、400円のイベントお買い物券、かにまき抽選券などがついて大変お得。
- ※2020年度は自粛のため開催されません。
- おみやげとして買う
“海明けカニ” - オホーツク海でとれた海の幸が豊富に揃う「カネ活 渡辺水産」。カニ漁師が運営する店で、網走市場より仕入れた新鮮でかつ、身がたっぷりと詰まったカニや海産物を販売。店内ではゆでたてのカニも味わえる。
- 夕食として楽しむ
“海明けカニ” - 能取湖畔に佇む一軒宿「能取の荘 かがり屋」。網走産の海や山の幸を使った宿自慢の会席料理が味わえる老舗旅館だ。高級魚のキンキや海明けのカニを使った料理も提供。露天風呂付きの客室や貸切露天風呂もある。
早春の味覚・キンキやカキもおすすめです
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キンキ4〜12月
標準和名ではキチジ(喜知次)、北海道ではキンキ、網走ではメンメと呼ばれる魚。網走産のキンキは延縄漁で漁獲されるため、身に傷が付かない。市場では「釣きんき」として有名だ。肉質は柔らかめで脂肪が多いため、煮付けや寿司、釜飯などで味わう。
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カキ12〜3月
釧路市と根室市のほぼ中間に位置する厚岸町は、国内で唯一、年中出荷できる牡蠣の名産地だ。養分が豊富な淡水と海水が混ざる厚岸湖で育つため、ふっくらな身と濃厚な甘みが特徴。厚岸町では、カキえもんやマルえもん、ナガえもんの3種類のカキを生産している。
十勝地方は日本の食料基地と呼ばれ、小豆や大豆、小麦などの良質な穀物、牛乳、砂糖など、さまざまな農産物が生産されている。いただきますカンパニーでは、その生産の場である「畑」を地元ガイドが案内し、会場になる畑で穫れた食材を使った軽食が味わえる農場ピクニックを実施。内容はそれぞれの季節の農作物によって異なるが、春は一面の菜の花畑を舞台に、食について学びながら非日常の景色が楽しめる。
- 畑ガイドと行く菜の花ピクニック
- 菜の花に囲まれて春を感じるピクニックが楽しめる。お食事ツアーでは菜の花から採れた菜種油と十勝産小麦100%のパン、十勝産野菜を楽しむパンベキューを、おやつツアーは菜種油で揚げたフライドポテトを味わえる。また、菜種油やオリーブオイルなどの利き油にも挑戦できる。
開催期間:5月中旬~6月中旬 会場:音更町 開催時間:お食事ツアー11:30~14:00、おやつツアー9:00~10:30、14:30~16:00 料金:お食事ツアー5600円(3歳〜高校生は4100円)、おやつツアー3600円(3歳〜高校生は2100円)/要予約
ほかの季節ではこんなピクニックが楽しめます!
- ここで楽しむ
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いただきますカンパニーいただきますかんぱにー
- 住所:十勝管内各地(テーマにより異なる)
- 電話番号:0155-29-4821
- 時間:ツアーにより異なる
- 休業日:不定休(11〜4月は月曜休)
網走と鶴居もおすすめです
網走
- アクセス
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女満別空港
網走バス女満別空港線で26分、網走駅前下車すぐ
- JR網走駅
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網走は、乳用牛や網走和牛などを育む牧場地帯であり、さらに冷涼な土地を活かした麦類や大根、長いもなどの野菜を生産する農業王国の一面も併せ持つ。四季によって美しく優雅に変化する網走には、普段は出会えない景色や体験が豊富にある。
鶴居
- アクセス
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JR釧路駅
阿寒バス鶴居線・幌呂線で1時間6分、鶴居市街下車
- 鶴居市街
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鶴居村は、大規模な草地が広がり、北海道でも有数の酪農郷として飛躍を続けている。雄大な牧草畑で、のどかに草を食む乳牛の姿はまさに欧州の田園風景そのもの。豊かな自然と牧草地が広がる鶴居村は、贅沢なひとときを過ごせる最適な場所といえる。
- “花回遊”とは
- オホーツク地方にある滝上町、紋別市、湧別町、遠軽町、遠軽町丸瀬布、遠軽町白滝の6地区を結ぶフラワーロード「花回遊」。美しい花の名所が点在しているドライブルートで、各地域ごとに、壮大で美しい景色が楽しめる。
“花回遊”のおもなお花畑
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かみゆうべつチューリップ公園かみゆうべつちゅーりっぷこうえん5月上旬~6月上旬
7haの広大な敷地に、町の花であるチューリップ約200品種が鮮やかに咲き誇る。開花時期である5月にはチューリップフェアが開催される。
- 住所:湧別町上湧別屯田市街地
- 電話番号:01586-8-7611(湧別町観光協会)
- 時間:5月1日~6月上旬の8:00~17:30
- 休業日:期間中無休
- 料金:600円
- アクセス
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女満別空港
網走バス女満別空港線で26分、網走駅前下車すぐ
- JR網走駅
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芝ざくら滝上公園しばざくらたきのうえこうえん5月上旬~6月上旬
「みかん箱一杯」の芝ざくらからはじまり、今やその規模は日本最大級の約10万平方メートルに。開花時期には童話村たきのうえ芝ざくらまつりが開催され、売店や軽食店も登場。
- 住所:滝上町元町
- 電話番号:0158-29-2730(滝上町観光協会)
- 時間:見学自由
- 料金:芝ざくら開花宣言の翌日~芝ざくらまつり期間500円
- アクセス
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JR旭川駅
北海道中央バス紋別行きで2時間20分、滝上下車、徒歩10分
- 芝ざくら滝上公園
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オホーツク・リラ街道おほーつくりらかいどう5月中旬〜6月中旬
湧別市街から中湧別市街を結ぶ約2.2kmの並木道で、かつての旧国鉄線路跡地。ライラック約600本と約1000本のエゾヤマ桜、花壇にはさまざまな草花を植栽している。
- 住所:湧別町錦町〜栄町
- 電話番号:01586-8-7611(湧別町観光協会)
- 時間:通行自由
- アクセス
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JR遠軽駅
北見バス湧別・紋別線で約30分、湧別4号線下車、徒歩4分
- オホーツク・リラ街道
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まるせっぷ藤園まるせっぷふじえん5月下旬~6月中旬
弘政寺と平和山公園をつなぐ藤ロード。そこには全道随一となる約200株の藤がある。6月上旬には、まるせっぷ藤まつりが開催され、弘政寺では抹茶が振る舞われる。
- 住所:遠軽町丸瀬布水谷町 平和山公園
- 電話番号:0158-47-2213(遠軽町丸瀬布総合支所産業課)
- 時間:6月上旬~中旬の見学自由
- アクセス
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JR丸瀬布駅
徒歩5分
- まるせっぷ藤園
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五鹿山公園ごかざんこうえん5月中頃
サロマ湖とオホーツク海を一望できる公園で、春には樹齢100年を超える桜やツツジなどの花が楽しめる。5月中旬には五鹿山公園まつりも開催。
- 住所:湧別町北兵村二区
- 電話番号:01586-8-7611(湧別町観光協会)
- 時間:見学自由
- アクセス
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JR丸瀬布駅
北見バス湧別・紋別線で26〜28分、五鹿山通り前下車、徒歩20分
- 五鹿山公園
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湧別水芭蕉群生地ゆうべつみずばしょうぐんせいち4月中旬〜下旬
道の駅 愛ランド湧別の近くにある、12haの大規模なミズバショウの群落。希少生物保護のため、雪解け後から9月初旬まで木道は閉鎖。ミズバショウの見学は国道の歩道から。
- 住所:湧別町芭露
- 電話番号:01586-8-7611(湧別町観光協会)
- 時間:見学自由
- アクセス
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JR丸瀬布駅
国道244号線、239号線経由で約28km・40分
- 湧別水芭蕉群生地
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芝ざくら(太陽の丘えんがる公園)しばざくら(たいようのおかえんがるこうえん)5月中旬~6月上旬
四季折々のさまざまな花が楽しめる公園。一面に咲き誇る芝ざくらに加え、見頃が重なればチューリップとさくらの競演が楽しめる。秋には10haの広大な敷地にピンクや赤、黄色など1000万本ものコスモスが咲く。虹のひろば管理棟では各種特産品を販売している。
- 住所:遠軽町丸大
- 電話番号:0158-42-0488(虹のひろば管理棟)
- 時間:4月下旬~10月下旬の9:00~17:00
- 料金:コスモス開花期間は大人320円、小人160円
- アクセス
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JR丸瀬布駅
徒歩30分、タクシーで10分
- 太陽の丘えんがる公園
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