花の香りに誘われて、ガーデンに迷い込む。
日高山脈のふもと、果てしなく広がる田園のパッチワークは最も北海道らしい風景といえるだろう。帯広市を中心とした十勝エリアは、日本の食料基地である北海道のなかでも最大の穀倉地帯として日本人の胃袋を満たしてきた。この豊穣の大地はまた、旅人にイングリッシュガーデンを散策する楽しみを与えてくれた。

上川町の「大雪森のガーデン」から富良野市の「風のガーデン」を経て、十勝の「真鍋庭園」「紫竹ガーデン」「六花の森」までの全長約270kmには8つの観光ガーデンが点在し、「北海道ガーデン街道」と呼ばれている。車で7時間あまりの行程となるが、街道沿いにはホテル・レストラン、牧場や乗馬施設などもあるので気ままにステイしながらゆったりと回りたい。どこかの庭園で、ガーデンウエディングの幸福な光景に遭遇するかもしれない。 ところで、肌がツルツルになる「美人の湯」と聞けば、女性は素通りできない。十勝川温泉は世界でも珍しい「モール温泉」、太古の植物の堆積層から湧き出る肌にやさしい温泉として人気を集めている。そして、標高810mに位置する然別湖はひっそりと隠された宝石のようだ。北は大雪山国立公園、西は日高山脈に囲まれ手つかずの自然の姿を静かに湛えている。
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